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「虫歯じゃないのに歯が痛い?」原因不明の歯の痛みで考えられる原因と治療法
ブログ記事をお読みいただき、ありがとうございます。福岡市南区の歯医者【ひろた哲哉歯科・矯正歯科】スタッフです。
歯が痛いと感じたとき、真っ先に思い浮かぶのは「虫歯」かもしれません。でも中には「虫歯じゃないはずなのに、なぜか歯が痛む…」と悩んでいる方もいらっしゃいます。実際に歯が原因だと思っていた痛みでも約10%は歯や歯周組織が原因ではない痛みだと言われています。このような痛みは「非歯原性歯痛」と呼ばれ、診断や治療が難しいことも多いです。
お口の中はとても繊細で、歯や歯ぐきの異常だけでなく、身体の他の部分の不調が影響して歯に痛みを感じることもあります。この記事では、虫歯ではない歯の痛みの原因や、当院での診察・治療の進め方について、なるべくわかりやすくお話しします。「何となく不安」「どこに相談したらいいのかわからない」という方の助けになればうれしいです。
虫歯じゃないのに歯が痛い…その理由、いくつか考えられます
鏡で見ても黒くなっていないし、穴も開いていない…でも確かに痛い。そんなときに考えられるのは、大きく2つのパターンです。
- 歯や歯周組織い原因があるケース(歯原性歯痛)
- 歯や歯周組織以外に原因があるケース(非歯原性歯痛)
歯や歯周組織が原因の場合は、温度の変化や噛んだときに痛みが誘発されやすく、診断が比較的つきやすいことが多いです。一方で、歯や歯周組織以外の原因による痛みは、複数の歯に広がったり、時間や状況によって痛み方が変わったりするため、診断が難しいことがあります。
「虫歯がないなら大丈夫」と思ってしまいがちですが、虫歯以外の歯原性歯痛に場合でも放置すると症状が悪化することがあります。場合によっては神経の処置や抜歯が必要になることもあるため、少しでも違和感を覚えたら早めにご相談いただくことをおすすめします。
歯が痛い…虫歯以外で考えられる原因【原因と治療法まとめ】
歯や歯周組織(歯茎や歯根膜など)が原因(歯原性歯痛)
歯周病(歯周組織の病気)
症状: 歯ぐきの腫れ、出血、歯のぐらつき、噛むと痛い。
治療法: プラーク・歯石の除去(スケーリング・ルートプレーニング)や歯周ポケットの清掃を行います。重度の場合は外科的処置が必要なこともあります。
知覚過敏
症状: 冷たい飲み物や歯ブラシが当たるとしみる。
治療法: 知覚過敏用の薬剤塗布やフッ素塗布、樹脂でのコーティングなどの治療を行います。
歯ぎしり・食いしばり/咬合性外傷
症状: 噛んだ時に痛い、歯が押されるような痛み。
治療法: マウスピース装着、噛み合わせの調整、ボツリヌス治療や生活習慣の見直しなど。
親知らずの炎症(智歯周囲炎)
症状: 奥歯の痛み、歯ぐきの腫れ、顎の奥の痛み。
治療法:痛みや炎症が強い場合は洗浄と抗生物質の投与、再発のリスクや他の歯への影響など残しておくリスクが高い場合は抜歯を検討
歯のひび割れ(クラックトゥース)
症状: 食事中の強い痛み、特定の部位でのみ鋭い痛み。
治療法: 被せ物や神経治療、ヒビの深さや方向によっては抜歯を検討。
歯根膜炎
症状: 噛んだ時の強い痛み、歯が浮いたような感覚。
治療法: 抗生物質の投与・咬合調整・根管治療など。
歯列接触癖(TCH)
症状: 上下の歯が常に接触している状態による違和感や痛み。
治療法: 認知行動療法、マウスピース装着、定期的な指導など。
歯以外に原因がある場合(非歯原性歯痛)
関連痛(顎・耳・首など)
耳鼻咽喉科や神経内科などと連携し、原因臓器の治療を行います。当院では連携している大学病院への紹介も可能です。
筋・筋膜性歯痛
マッサージやストレッチ、理学療法、姿勢指導などで改善を図ります。当院では連携している大学病院への紹介も可能です。
神経障害性歯痛(三叉神経痛など)
内服薬(カルバマゼピンなど)の処方や、神経科への紹介を行います。
神経血管性歯痛(片頭痛など)
頭痛の専門治療が必要です。当院では連携している大学病院への紹介も可能です。
上顎洞性歯痛(副鼻腔炎が原因の奥歯の痛み)
治療法: 耳鼻科での副鼻腔炎の治療が必要となります。歯科ではレントゲンやCTで確認し、他科への紹介を行います。
心臓性歯痛(狭心症・心筋梗塞の前兆)
治療法: 循環器科での早急な診察が必要です。歯の問題が見つからず、胸の圧迫感や息切れなどの症状を伴う場合は、ただちに内科や救急受診をお勧めします。
心理的要因による歯痛(ストレス・精神的負荷)
治療法: 精神的ストレスや不安が強い場合、心療内科との連携やカウンセリングを提案することがあります。当院では連携している大学病院への紹介も可能です。
治療したのに痛い人へ
「神経を抜いたのにまだ痛む」「治療したはずなのにまた同じ場所が痛い」と感じていませんか?これは決して珍しいことではなく、以下のような様々な原因が考えられます
- 根管内の再感染や歯のひび割れ
- 別の部位や筋肉からの関連痛
- 非歯原性の痛み(神経性・血管性など)
- 歯ぎしり・噛み合わせのトラブル
このような場合は、CTやマイクロスコープを用いた精密検査で、原因を絞ることからスタートします。過去の治療歴や経過も含めて丁寧に診察を行い、診断した上で治療法をご提案します。
放置は危険です
「虫歯じゃないから放っておこう」「そのうち治るかも」と我慢しているうちに、以下のようなリスクが高まります:
- 歯の神経が死んでしまい、抜歯が必要になる
- 歯周病が進行して歯が抜けてしまう
- 隠れた重篤な病気(副鼻腔炎・心疾患・がんなど)の発見が遅れる
- 治療が複雑になり、費用や通院期間が長くなる
歯の痛みには必ず原因があります。我慢せず、まずはご相談ください。
ひろた哲哉歯科・矯正歯科の特長
CT・マイクロスコープによる精密診断: 全ユニットにマイクロスコープを設置し、動画記録も可能。微細なひび割れや根管の見逃しを防ぎます。
女性歯科医師含む約20名のドクター陣: 担当制で、対話を大切にした丁寧なカウンセリング。患者様の希望や背景を共有しながら治療を進めます。
土日診療・WEB予約対応: 平日は忙しい方も、ライフスタイルに合わせて通院しやすい体制を整えています。
治療後のフォローも充実: 国家資格を持った歯科衛生士によるメンテナンス・定期検診で、再発や新たなトラブルを防ぎます。
まとめ|「虫歯じゃない痛み」にこそ、専門的な判断が必要です
歯の痛みは、必ずしも虫歯とは限りません。痛みの裏にある“本当の原因”を突き止めるには、丁寧な診査と的確な診断が欠かせません。もし今、「何が原因かわからない痛み」で悩んでいる方がいらっしゃいましたら、どうか一人で抱え込まず、一度当院にご相談ください。
あなたのお話をじっくり聞き、必要な検査を丁寧に行い、最適な治療法をご提案します。お口の健康は、全身の健康にもつながっています。一緒に、安心できる解決策を探しましょう。
お気軽にご相談ください!
お口のことでお悩みがある方はぜひお気軽にご相談ください!
診療の関係上、ご予約が必要となりますので、希望日時をお知らせください。

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監修
廣田 哲哉
Hirota Tetsuya
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経歴
- 2009年3月 九州歯科大学 歯学部 歯学科 卒業
- 2009年4月~2010年3月 九州歯科大学口腔第二補綴学講座 口腔インプラント科 研修
- 2010年4月~2013年3月 ひぐちファミリー歯科 勤務
- 2014年4月 ひろた哲哉歯科 開業
- 2022年1月 THREE歯科・矯正歯科 開業
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所属団体
- 日本顎咬合学会
- 日本顎咬合学会