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歯茎が腫れてるけど痛くない|ぷっくり?赤い?固い?腫れ方で考えられる原因と治療法
みなさんこんにちは!福岡市南区の歯医者【ひろた哲哉歯科・矯正歯科】スタッフです。
歯茎がぷっくりと腫れている、ぶよぶよになっているけど痛みを感じない……そんな経験はありませんか?
痛みがないからと放置してしまうのは、実はとても危険です。痛みを感じなくても、腫れた歯茎の内部ではさまざまなトラブルが進行している可能性があります。この記事では、痛みを伴わない歯茎の腫れの原因について詳しく解説していきます。症状に心当たりがある方はぜひ参考にしてください!
腫れについて|考えられる原因は?
歯茎が腫れているけれど痛くない症状の原因は様々です。本日は、大まかな原因をご紹介します。
原因その1:歯根破折(歯の根っこが折れている)
歯の根が割れてしまう歯根破折で、歯茎がぷっくり腫れることがあります。歯根に力が掛かることで折れる、または過去に治療を受けた歯が劣化した場合に細菌が入って起こることが多いです。歯の根っこが折れているということは、骨折のようにくっつくことはなく、歯の寿命に即関わる問題です。すぐに治療が必要な状態になります。
歯根破折すると、歯はほとんどの場合、抜歯が必要になります。この状態で放置すると、細菌がまわりの歯、歯茎、骨へと広がり炎症を起こし、さらなる感染症へ悪化させる可能性があります。違和感を覚えた場合には、早めに歯科医に相談することをおすすめします。
原因その2:根尖病巣ができている
歯根(歯の根っこ)の下に膿が溜まることによって起こる根尖病巣は、歯茎が腫れても痛みがないことが多いです。この状態は、虫歯が進行していた、根管治療が不完全だった場合に主に起こります。この状態で放っておくと、顎の骨に影響し最終的に歯を失う原因となります。さらに細菌が血管を通じて全身に広がる可能性があります。これにより、菌血症や敗血症などの全身性の感染症を引き起こすリスクが高まります。特に、免疫力が低下している方や基礎疾患を持つ方では、感染が全身に広がりやすく、体調が急激に悪化する場合もあります。また、病巣から排出された細菌が隣接する組織に広がると、顎骨炎や顔面の腫れを引き起こす場合もあります。根尖病巣は早期治療が重要です。適切な根管治療や抜歯などで病巣を除去することで、感染拡大のリスクを未然に防ぐことができます。放置せず、早めに歯科医師に相談しましょう。

歯根破折や根尖病巣の症状が進むと膿がたまり、サイナストラクト(フィステル)と呼ばれるできものが歯茎にできる場合があります。
歯茎にできたサイナストラクト(フィステル)や嚢胞は、歯茎が腫れても痛みがなく、白いニキビのような腫れが見られることがあります。この症状も歯や歯茎の炎症が原因で起こります。
原因その3: 歯周病
歯茎が腫れて痛くないけど赤い・ぶよぶよしている場合、歯周病が進行している可能性があります。歯周病は、プラークと呼ばれる汚れが歯と歯茎の間に溜まり、炎症になる病気です。歯周病が進むと歯茎が腫れますが、痛みを感じない患者さまが初期段階では多いです。さらに進行すると歯を支える骨が溶け、最終的には歯を失うリスクがあります。
原因その4:歯肉増殖症
歯茎が腫れて痛くないけど腫れが固い場合、それは歯肉増殖症の可能性があります。
この症状は、歯茎の繊維性組織が過剰に増殖することで引き起こされます。痛みを伴うことはほとんどありませんが、歯茎全体が腫れたように見えるのが特徴です。歯肉増殖症は薬剤の副作用や慢性的な炎症、遺伝的要因が関係している場合があります。見た目に影響を及ぼすだけでなく、歯磨きがしにくくなり、プラークがたまりやすくなることもあるため、歯科医師に相談することが大切です。
原因その5:ストレス
歯茎の腫れは炎症だけが原因ではありません。睡眠不足やストレス、疲労によって免疫力が低下すると、歯茎が腫れることがあります。歯茎は毛細血管が豊富な部位であり、体調の変化が現れやすい場所です。
歯茎の腫れに対する対処法
歯茎が腫れた場合は、痛みがなくても早めに適切な対処を行うことが重要です。以下の方法で症状の悪化を防ぎましょう。
十分な休息を心がける
疲労が溜まったり、ストレスで気分が落ち込んでいると、腫れが起こる場合があります。そのため、十分な休息をとり、体調を整えることが重要です。
口腔内を清潔にすることを心がける
丁寧な歯磨きやデンタルフロスの使用で、歯と歯茎周囲を清潔に保ちます。特に腫れがある部分を優しくケアすることで、炎症の悪化を防げます。
食べる物に注意する
歯根破折や根尖病巣が腫れの原因の場合、食事は硬い食べ物や刺激の強い食べ物は避け、柔らかい食材を選ぶようにしましょう。適切な食事内容は、症状の悪化を防ぐために重要です。
歯科医での早期診断と治療
最善の対策は歯科医に相談して診断を受けることです。腫れの原因を明らかにし、適切な治療を実施することで、症状の悪化を防ぐことが可能です。
歯茎の腫れに対する治療法
歯根が破折した場合の主な治療法
破折片の接着
破折が軽度の場合、破折片を取り外して清掃後、専用の接着剤で固定する方法があります。ただし、成功率は低めです。
部分的な歯根除去(ヘミセクション)
破折が根の一部に限定され、残存部分が健康であれば、破折した根のみを除去し、歯を部分的に保存します。
抜歯
破折が歯根全体に及び、保存が困難な場合は抜歯が選択されます。その後、インプラントやブリッジなどで補綴治療を行います。
早期診断と適切な治療が重要です。破折が疑われる場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。
根尖病巣ができている場合の主な治療法
根管治療(歯内療法)
感染した歯髄や細菌を根管内から除去し、消毒を行います。その後、根管をしっかり封鎖して再感染を防ぎます。この方法は、根尖病巣の治療で最も一般的です。しかし、成功率はかなり低く、また、患者さまの免疫力に起因するところがあるため、治療後、再発することがあります。治療の際は、歯科医師としっかり話し合い、納得のいく治療の選択をしましょう。
外科的根尖切除術
根管治療では治癒が困難な場合、外科的に根尖部分を切除し、病巣を直接取り除きます。この方法は、再発を防ぐために行われます。
抜歯
歯の保存が不可能な場合、抜歯が必要になります。その後、インプラントやブリッジなどの補綴治療を行います。
早期の診断と治療が病巣の拡大を防ぎ、歯の保存につながります。歯に違和感がある場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。
歯茎のサイナストラクト(フィステル)の主な治療法
根管治療(歯内療法)
歯の根管内の感染を除去し、根管を清掃・消毒して封鎖します。
歯周治療
歯周病が原因の場合、歯周ポケットの清掃や感染組織の除去を行います。場合によっては外科的処置が必要です。
抜歯
歯が保存できない場合は抜歯を行い、その後、適切な補綴治療(インプラントやブリッジ)を検討します。
フィステルは放置すると感染が拡大する可能性があるため、早期の治療が重要です。歯茎に異常を感じたら、すぐに歯科医師に相談しましょう。
歯周病の主な治療法
スケーリングとルートプレーニング(SRP)
歯と歯周ポケット内の歯石やプラークを除去し、歯根表面を滑らかにして再付着を防ぎます。軽度から中等度の歯周病に効果的です。
外科的治療
深い歯周ポケットや重度の炎症には、フラップ手術で歯茎を切開し、感染組織や歯石を除去します。その後、歯茎を元に戻して固定します。
抗菌療法
歯周ポケット内に抗菌剤を投与したり、全身的に抗生物質を使用して感染を抑えます。原因の根本的な解決にはならないため、再度症状が出ることがあります。
早期診断と継続的なメンテナンスが歯周病治療の成功に不可欠です。異常を感じたら歯科医師に相談しましょう。
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診療の関係上、ご予約が必要となりますので、希望日時をお知らせください。

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監修
廣田 哲哉
Hirota Tetsuya
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経歴
- 2009年3月
九州歯科大学 歯学部 歯学科 卒業 - 2009年4月~2010年3月
九州歯科大学口腔第二補綴学講座 口腔インプラント科 研修 - 2010年4月~2013年3月
ひぐちファミリー歯科 勤務 - 2014年4月
ひろた哲哉歯科 開業 - 2022年1月
THREE歯科・矯正歯科 開業
- 2009年3月
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所属団体
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本審美歯科協会
- 福岡県歯科医師会
- 福岡市歯科医師会
- 北九州市学研究会若手会
- ClubGP Faculty Member(2021年~)
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